注文住宅のカタログやWeb広告には「坪単価○○万円〜」という数字がよく出てきます。ところが、坪単価の計算の仕方は会社や媒体ごとに違います。同じ家でも、何を価格に含めて、どの面積で割るかによって、坪あたり30万円以上違って見えることがあります(下の計算例)。

このページでは、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2025年度)の建設費と住宅面積から坪単価を計算し、全国平均と、都道府県別に高い5県・低い5県を並べます。あわせて、広告やハウスメーカーの坪単価と比べるときにそろえる点と、見積もりで確認する項目を整理します。

先に結論

フラット35利用者調査(2025年度)で注文住宅を建てた人の平均は、建設費4,259.8万円・住宅面積118.4㎡です。坪単価に換算すると約118.9万円になります(4,259.8万円÷(118.4㎡÷3.30579))。都道府県別では、集計が4件と少ない鳥取県(142.5万円)を除くと、東京都140.5万円・神奈川県132.2万円が高く、福井県98.2万円・秋田県101.1万円が低い水準です。

この坪単価は、付帯工事や設計費まで含む「建設費」を、バルコニーを除いた面積で割った数字です。広告の坪単価は、本体工事費だけを割っている場合や、バルコニーなども含む施工床面積で割っている場合があり、そのときは同じ家でも低く出ます。会社どうしを比べるときは坪単価ではなく、範囲をそろえた総額と延床面積で比べてください。

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坪単価の計算方法と、会社・媒体による違い

坪単価は「建物の価格÷坪数」で出します。1坪は約3.30579㎡なので、坪数は「面積(㎡)÷3.30579」です。ただし、分子の「価格」と分母の「面積」に何を使うかは決まっていません。よく見かける組み合わせは次の3つです。

計算の仕方分子(価格)分母(面積)数字の出方
本体価格÷延床面積建物本体の工事費。付帯工事や諸費用は入らない延床面積(各階の床面積の合計)分子が小さい分、低めに出る
本体価格÷施工床面積同上施工床面積(バルコニー・ポーチ・吹き抜けなどを含める場合がある)分母も大きくなり、さらに低めに出る
建設費÷住宅面積(このサイトの計算)付帯工事・設計費・工事監理費などを含む建設費バルコニーを除いた住宅面積範囲が広い分、高めに出る

延床面積は、建築基準法施行令第2条で「建築物の各階の床面積の合計」と決められています。床面積は「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」です。一方、施工床面積は会社が見積もりのために使う面積で、どこまで含めるかは会社ごとに違います。

このサイトが使うフラット35利用者調査の「建設費」は、調査の用語解説で次のように定義されています。

📘 フラット35利用者調査の「建設費」

主体工事費、主体工事に付随する電気・給排水・ガス設備・太陽熱温水器の各工事費、設計費、工事監理費、除却工事費、屋外附帯工事費、その他必要な費用の合計額(予定)。

つまり、建物本体だけでなく、給排水などの設備工事、設計費、建て替えの解体費(除却工事費)まで入った金額です。土地代は入りません。登記やローン手数料などの諸費用も、定義の項目には挙がっていません。住宅面積は「バルコニー部分の面積を除いた専有面積」で、延床面積に近い考え方の面積です。

全国平均の坪単価(フラット35利用者調査から計算)

フラット35利用者調査(2025年度)の注文住宅は、2025年4月〜2026年3月に機構が買取り・付保の承認をした案件のうち3,889件の集計です。対象は、建物の建設費をフラット35で借り、土地の代金はフラット35で借りていない人です。

🧮 全国平均の坪単価の計算

坪数=住宅面積118.4㎡÷3.30579=約35.8坪
坪単価=建設費4,259.8万円÷約35.8坪=約118.9万円
(坪数は丸めずに計算しています)

土地もフラット35で一緒に買った「土地付注文住宅」(7,733件)の建物部分は、建設費3,737.6万円・住宅面積110.3㎡です。同じ式で計算すると約112.0万円になります。

調査の集計表には、1件ずつ「1㎡当たり建設費」を出してから平均した値も載っています。注文住宅の全国は平均35.9万円/㎡、中央値34.6万円/㎡です。坪に換算(×3.30579)すると、平均は約118.7万円、中央値は約114.4万円です。上の計算(平均の建設費÷平均の面積)とほぼ同じ水準ですが、中央値は平均より低くなっています。1㎡当たりの建設費が高い一部の家が、平均を押し上げていると読めます。

1㎡当たり建設費坪に換算件数割合
30万円未満約99.2万円未満1,055件27.1%
30万〜40万円未満約99.2万〜132.2万円1,731件44.5%
40万〜50万円未満約132.2万〜165.3万円784件20.2%
50万円以上約165.3万円以上319件8.2%

※ 集計表(注文住宅・第15表)の2万円刻みの件数を合算し、3,889件で割った割合です。坪換算は1㎡当たり建設費×3.30579。

全国の4割強が坪約99万〜132万円に入る一方、坪約165万円以上の家も1割弱あります。平均の約118.9万円は真ん中あたりの目安で、実際の価格には幅があります。

都道府県別の坪単価: 高い5県と低い5県

同じ計算(建設費÷(住宅面積÷3.30579))を47都道府県で行い、高い順と低い順に5県ずつ並べました。県名から、年収や返済額まで載せた各県の相場ページに移れます。

坪単価が高い5県

都道府県坪単価(換算)建設費住宅面積集計件数
1. 鳥取県142.5万円4,746.5万円110.1㎡4件
2. 東京都140.5万円5,131.3万円120.7㎡252件
3. 神奈川県132.2万円5,074.0万円126.9㎡198件
4. 長野県129.4万円4,713.1万円120.4㎡94件
5. 三重県128.0万円4,381.7万円113.2㎡57件
全国118.9万円4,259.8万円118.4㎡3,889件

坪単価が低い5県

都道府県坪単価(換算)建設費住宅面積集計件数
1. 福井県98.2万円3,833.0万円129.0㎡15件
2. 秋田県101.1万円3,525.5万円115.3㎡102件
3. 岩手県106.5万円3,698.1万円114.8㎡44件
4. 宮崎県107.3万円3,575.4万円110.2㎡51件
5. 香川県107.3万円3,948.9万円121.7㎡12件
全国118.9万円4,259.8万円118.4㎡3,889件

※ 出典: フラット35利用者調査(2025年度)の注文住宅。坪単価は当サイトの計算で、小数1桁に四捨五入。宮崎県と香川県は小数2桁まで出すと107.26万円と107.27万円です。

集計件数が少ない県は、数件の家の価格で平均が大きく動きます。高い側1位の鳥取県は4件、低い側の香川県は12件、福井県は15件の集計です。件数が30件以上の県に絞ると、高い側は東京都・神奈川県・長野県・三重県・岡山県(124.3万円)、低い側は秋田県・岩手県・宮崎県・宮城県(107.8万円)・茨城県(108.2万円)になります。

件数の多い東京都(140.5万円)と秋田県(101.1万円)の差は、坪あたり39.4万円です。35坪の家に当てはめると、39.4万円×35坪=約1,379万円の差になります。ほかの県の数字は都道府県別の相場一覧で確認できます。

⚠️ 県の坪単価は「その県で建てた人の平均」

県の坪単価は、その県でフラット35を使って建てた人の平均です。その県の住宅会社の価格表ではありません。建てた家の仕様や大きさの違いも、そのまま平均に表れます。現金で建てた人や、フラット35以外の住宅ローンだけを使った人は集計に入っていません。

県の平均より、同じ条件の見積もりを並べて比べる

県の坪単価は「その県で建てた人の平均」で、自分の家の価格ではありません。タウンライフ家づくりは、延床面積・予算・エリアなどの希望条件を一度入れると、選んだ会社から間取りプラン・資金計画・土地提案が無料で届きます。同じ条件で出てくるので、範囲をそろえた総額で比べやすくなります。依頼後に各社から連絡が来るので、依頼先は比べたい会社に絞っておくと対応しやすくなります。

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坪単価だけで比べると起きる誤解

坪単価は便利な目安ですが、それだけで会社や地域を比べると、次のような食い違いが起きます。まず、全国平均の家(建設費4,259.8万円・住宅面積118.4㎡)を例に、計算の仕方だけを変えてみます。

計算の仕方式坪単価
建設費÷住宅面積(このサイト)4,259.8万円÷(118.4㎡÷3.30579)約118.9万円
建設費÷施工床面積4,259.8万円÷(130㎡÷3.30579)約108.3万円
本体価格÷延床面積3,400万円÷(118.4㎡÷3.30579)約94.9万円
本体価格÷施工床面積3,400万円÷(130㎡÷3.30579)約86.5万円

※ 本体価格3,400万円(建設費のうち残りの859.8万円を付帯工事・設計費などと仮定)と、施工床面積130㎡は、計算例のための仮の数字です。実際の割合は会社・敷地・プランで変わります。

同じ家なのに、坪単価は約86.5万円から約118.9万円まで、坪あたり32.4万円の幅で見えます。広告の「坪○万円」と、このページの県平均をそのまま比べられないのはこのためです。ほかにも、次の点で坪単価は動きます。

広告やハウスメーカーの坪単価と比べるときの注意

広告やカタログの「坪単価○万円〜」を見たら、まず次の3点を確かめます。

大手ハウスメーカーの中には、決算資料(IR)で戸建ての1棟あたりの金額と面積を公表している会社があります。これは広告の坪単価とは別物で、その会社が売り上げた戸建ての平均です。

会社資料の数字坪単価時期
積水ハウス請負住宅の1棟当たり売上金額5,642.9万円、1棟当たり面積136.08㎡137.1万円(資料の「3.3㎡当たり売上金額」)2025年度(2026年1月期)
住友林業戸建注文住宅の販売単価4,860万円、平均35.5坪(引渡しベース)約136.9万円(4,860万円÷35.5坪で計算)2025年12月期
積水ハイム(積水化学工業)連結販社・戸建の単価4,020万円、床面積109.1㎡121.6万円(資料の「坪単価」)2026年度第1四半期
(参考)フラット35利用者調査の全国平均建設費4,259.8万円、住宅面積118.4㎡約118.9万円(計算)2025年度

3社の数字はフラット35の全国平均より高めです。ただし、売上や単価に何を含めるか、どの住宅を集計に入れるかは各社の資料の区分どおりで、フラット35の「建設費」と範囲が同じとは限りません。ここから分かるのは「その会社で建てた家の平均的な規模と金額」までです。自分の家の価格は、同じ条件で出してもらった見積もりで確かめます。各社の構造・性能・保証はハウスメーカーの比較一覧にまとめています。

見積もりで確認する項目と、総額での比べ方

会社どうしを比べるときは、坪単価ではなく範囲をそろえた総額で比べます。見積もりを受け取ったら、次の順に確認してください。

  1. 面積の種類と数字

    見積書の面積が延床面積か施工床面積かを確認し、延床面積(㎡)を書き出します。会社ごとに違う面積で割っていると、坪単価は比べられません。

  2. 本体工事に含まれるもの

    照明器具・カーテン・エアコン・造作家具・太陽光発電などが標準か別途かを確認します。標準の範囲が狭いほど、本体価格と坪単価は低く見えます。

  3. 付帯工事(別途工事)

    屋外の給排水・ガスの引き込み、地盤改良、外構、仮設工事、建て替えなら解体費。地盤改良のように調査しないと金額が決まらない項目は、「概算」「別途」の扱いになっていないかを見ます。

  4. 設計・申請・監理の費用

    設計料、建築確認申請、長期優良住宅などの認定申請、住宅性能評価の費用が入っているかを確認します。

  5. 諸費用

    登記費用、ローンの手数料・保証料、火災保険、印紙代などは建物価格とは別に必要です。内訳の考え方は注文住宅の費用の内訳で解説しています。

  6. 消費税・性能・見積もりの有効期限

    税込みか税抜きか。断熱等性能等級と耐震等級はいくつか。見積もりの有効期限と、契約後に価格が変わる条件があるか。

6つをそろえたら、各社の「本体+付帯工事+設計・申請」の合計を延床面積の坪数で割り直します。こうすると、このページの県平均(建設費ベース)と近い範囲で比べられます。

🧮 予算から建てられる広さを逆算する

建物にかけられる予算÷坪単価=建てられる坪数です。たとえば建物の予算が3,500万円で、全国平均の坪単価(約118.9万円)を使うと、3,500万円÷118.9万円=約29.4坪(約97.3㎡)になります。土地代・諸費用・自己資金まで含めた総額と月々の返済は、総額シミュレーターで計算できます。

よくある質問

注文住宅の坪単価の全国平均はいくらですか?
フラット35利用者調査(2025年度)の注文住宅では、建設費の平均4,259.8万円を住宅面積118.4㎡(約35.8坪)で割ると、約118.9万円です。付帯工事や設計費を含む建設費で計算した数字で、土地代は含みません。
坪単価が高い都道府県はどこですか?
同じ計算で数字がいちばん高いのは鳥取県の142.5万円ですが、集計は4件です。件数の多い県では東京都140.5万円、神奈川県132.2万円、長野県129.4万円が高く、低い側は福井県98.2万円、秋田県101.1万円などです。
広告の坪単価に延床面積を掛ければ総額になりますか?
なりません。広告の坪単価は、本体工事費だけを割っている場合や、施工床面積で割っている場合があります。付帯工事、設計や申請の費用、諸費用、土地代は別にかかるので、見積もりで範囲を確認して総額で比べてください。
延床面積と施工床面積はどう違いますか?
延床面積は建築基準法施行令で「建築物の各階の床面積の合計」と定められた面積です。施工床面積は会社が見積もりのために使う面積で、バルコニーやポーチ、吹き抜けなどを含める場合があり、一般に延床面積より大きくなります。同じ価格でも施工床面積で割ると坪単価は低く出ます。
坪単価から建てられる広さはどう計算しますか?
建物にかけられる予算を坪単価で割ります。たとえば予算3,500万円を全国平均の約118.9万円で割ると約29.4坪(約97.3㎡)です。建てる県の坪単価を使うと、地域に合わせた目安になります。

まとめ

参考情報・データの出典